犬の散歩をあまり見ない国の人
日本では日常的によく見かける「犬の散歩」。
電柱にオシッコしている犬もおなじみですよね。
でも、国によって、あるいは地域によっては、こういうシーンをほとんど見たことがない人もいるようです。
今教えている日本在住の日本語学習者(ビジネスパーソン)と勉強しているのはこの本です。
ここでは、実際にあったニュースも取り上げられています。
今回はこのニュースが聴解になっている課を勉強しました。
実際のニュース記事はこちらです。
「犬の尿で鉄製信号柱倒壊か 三重県警調査結果」
この学習者にとって、この教科書は正直言って、今までかなり簡単にできていました。でも、今回は難しかったようです。
なぜかというと、キーワードの「犬の尿」が聞き取れなかったからです。もっと言うと「尿」というワードを知りませんでした。
ところが、「犬の尿」がわかっても、なんだか腑に落ちない様子です。
よく聞いてみると、その学習者の国(もしかしたら地域)では犬を飼っている人はあまりいなくて、犬の散歩をしている人を見かけることもほとんどないそうなんです。
なので、犬は散歩中、電柱と見ると匂いを嗅いでオシッコをする、という習性を知らなかったのです。
日本では「犬は散歩中、電柱と見ると匂いを嗅いでオシッコをする」というシーンは日常的にも見るし、マンガやアニメやイラストでもよく見かけますよね。
でも、聴解問題や読解、テストじゃなくて会話だとしても、この犬の習性を知ってる前提だと、それを知らなければ「なんのこっちゃ?」となる外国人は結構いるのかもしれません。
今回の日本語学習者はとても優秀です。でも、日本語の能力の問題じゃないところで理解できなかったのです。
ってなわけで、日本語教育では、日本語だけでなく、文化や背景についても学んでもらわないといけないわけですよね〜というお話でした。
*ちなみに、犬に電柱でオシッコさせるのはマナー違反だという意見もあるようです。
参考:犬が鉄柱におしっこしたあと水をかけるのはNG?